現在の建設発生土処理における課題とリスク
現在、トンネル掘削工事や浚渫工事、道路舗装工事による建築土木発生土が残土として処理されています。毎年5億tもの建設による残土が発生しており、そのうち2億2500万tは認可を受けた処理場に埋め立てし残土処理を行っています。これにかかる費用は年間1.3兆円にも上ります。莫大な費用が発生することと、用地確保が難しい状況もあり残り2億7500万tは処理方法が不明であると報告されています。(※数値は当社調べによる)
不法な盛り土による災害
不法な盛り土や投棄により災害が発生しています。固められていない盛り土や埋め立ては、非常に脆く、雨によって土石流の原因となります。これは非常に危険で、実際の開発現場とは縁がない地域で災害が起きています。2021年に起きた熱海市での土石流も不法な盛り土が原因であると指摘されています。
残土を建設資材に有効活用し課題解決に取組む
トンネル掘削工事・道路舗装工事・浚渫工事・都市開発など、これらによって発生する土を「建設副産物」と呼んでいます。建設副産物の中には危険な有害物質を含み指定された廃棄物処理が必要な「再利用不可能」なもの、「再生資源」になりうるアスファルトやコンクリートのような適切な処理をすることにより「再利用の可能性が有る」もの、建設発生土や金属くずは「そのまま原材料」になります。現在は「再生資源」になりうる建設副産物が有効活用がなされていません。
建設副産物を盛り土や埋め立て利用以外に、防草対策や法面の整備、歩道などに使える「建築資材」として資源化することにより、前述のような処分コストを抑えながら収益性をもたせることを可能にします。
残土の資源化がもたらす効果
土木・建築に必要とする真砂土の代替及び、コンクリート・アスファルトの代替として利用でき、さまざまな建築資材として活用することで以下のような効果が期待できます。
- 発生残土を盛り土や埋め立て以外に利用するため山を切り崩す必要がない(自然環境保護)
- 土の特性によりヒートアイランド現象を緩和する
- 法面補強施工方法が容易となる
- 雑草抑制による管理経費の削減となる
- 農業資材・教育資材(遊土)としても利用可能
新たな産業の可能性
現在ではコストをかけて残土を処分することが大半で、負の遺産のような扱いですが、これらを資源化することにより持続可能な新たな産業としての可能性を秘めています。事業化することで雇用の創出、地域活性にも寄与すると考えます。
親和性の高い業種
これらの建設発生土(残土)の有効活用事業企画の効果が該当する業種としては以下が考えられます
- セメントメーカー
- 建築土木関連全般
- 産業廃棄物関連
- 施設管理及びデベロッパー
残土を活用した施工例
過去に建設をした際にでた残土を活用し、防草対策舗装などに施工した実績を紹介します。
多賀SA
中日本高速の多賀SAの建設時に発生した残土を利用し、防草対策として土舗装を施工しました。 10年経った今もひび割れ、泥化することなく、フリーメンテナンスで雑草の発生を抑えています。 歩道には弊社のマサブロックを利用しています。
建設発生土リサイクル・リユース事業モデル
FC剤を使用したリ・アース工法
従来の土舗装は脆く耐久性がないとされてきました。しかし弊社で開発したFC剤を使用することにより耐久性は大幅に向上しコンクリートに変わる材料となります。強度はFC剤の添加量により調整が可能で、目的と用途に合わせた配合があります。自然界の土の利用を享受し、新しい価値を創造するリ・アース工法による土舗装へと生まれ変わります。
FC剤の使用・不使用での浸食試験結果
(財)建材試験センターにてFC剤の亜硫酸ガスを用いて浸食試験を行いました。
FC剤を使用することで従来の土舗装に比べて約7倍の耐久性があることが実証されました。
リ・アース工法の過去事例
大阪城 西の丸庭園
APECが大阪に開催されるにあたり会場として歴史ある大阪城迎賓館にて執り行われることになりました。そのため各国の首脳を乗せた車の乗り入れが必要となり、当時石の庭園だった西の丸庭園を舗装することを決定。景観性を保つためにFC剤を使用した「リ・アース工法」にて土舗装を施工。以来、約25年間フルーメンテナンスで維持コストは0円。現在も使用されています。
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上記の事業にご賛同いただき、協業していただける企業様、仲間を募集しています。詳しい資料を送付することも可能ですのでお気軽にご相談・お問い合わせください。